1996年にリリースされた
The Szutersのデビューアルバムです。プロデュースはポール・ギルバート。オハイオ州クリーヴランドでマイク・ズーターとC.J.ズーターの兄弟が中心となって結成された
Outta The Blueというバンドが、兄弟のファミリーネームを取ってThe Szuters(スズーターズではなくてズーターズです)と改名したんだそうです・・・けど、今はまた違うバンド名になっているみたいですね。僕は最初の2枚しか知らなくて、今日ももの凄~く久々にこのアルバムを聴いているんですが。昨日のCheap Trickからの流れ、彼等に影響されたバンドという事で、The Szutersを思い出したんです。Cheap Trickの影響が強く感じられるバンドというと、
ENUFF Z'NUFFを思い出しますが、彼等の事は既に紹介してましたから。こっちの方がCheap Trickっぽいんですけど(笑)。やはりと言うか何と言うか、このふたつのバンドは知り合いみたいですね。
・・・まあ、その“Cheap Trickっぽい”というのも、元を辿れば“Beatlesっぽい”という事で、ENUFF Z'NUFFや、このThe Szutersといったバンドは、
The Beatlesの孫みたいなものにあたりますよね。The Beatlesの持っていたメロディアスな部分を取り出して、その時代に合うようにアレンジしていったのがCheap Trickであり Cheap Trickというフィルターを通してそれを受け継いでいったのがENUFF Z'NU-
FFやThe Szutersなのではないかと思います。勿論彼等がそれだけだとは思いませんが、その部分が彼等の音楽の重要な要素になっているのは明らかだと思うし、多くの人が彼等の魅力だと感じているのもそこだと思います。・・・そして、勿論どのバンドにも特徴があるんですよね。Cheap Trickはロビン・ザンダーのボーカルが圧倒的だし、ENUFF Z'NUFFはメロディの胸キュン度(笑)がナンバーワンだと思います。・・・で、このThe Szutersの場合はどうかと言うと、正直言って、そのふたつの先輩バンドよりは“これ!”という部分が少ないと思うんですよね。
って、なんじゃそりゃー!ポール・ギルバートによるプロデュースでそうなっているのか、彼等が元々そういう音なのかは分かりませんが、音的に(楽器の音質的にも)どうもカラッとしすぎと言うか、ズンズンズンズン元気が良すぎる気がするんですよ。音がちょっと平坦すぎると言うかね。マイク・ズーターはポールのバンドメンバーとしてアルバムやツアーに参加していたりもするので、彼等の音の嗜好が似ているという面も多々あると思いますけどね。勿論、彼等のそういう部分、若くて元気な部分が好きな人もいるでしょうけど、僕はその部分がちょっと物足りなくて、惜しいと思いますね。
勿論、どこに胸がキュンとするかはその人によって違うので、今僕が書いた事をそのまま受け取らないで欲しいんですが(そんな人いないか・笑)、僕も好きな曲は色々あるんですよ。こうやって紹介しているんだから、当り前ですけどね。・・・てことで、いくつか挙げてみます。
“If I Can't Have You”は歪んだエレキギターとアコースティックギターのコントラストが面白いThe Beatlesっぽいメロディを持った曲で、
“Stay”は更にThe Beatles、モロにThe Beatlesしていて微笑ましい曲です。
“America”はちょっと80年代っぽい雰囲気を持った曲で、その時代のMTVで観てみたかったって感じですね。あと、ピアノバラードの
“Your Eyes”なんて名曲だと思います。こうやって久々に彼等のアルバムを聴いてみたら、“The Beatles度” がかなり高いバンドだと再確認できました。
バリバリのハードロックも演奏できるThe Beatlesという感じですね。良い曲も沢山持っているけど、ブレイクは難しそうなバンドでもあります(笑)。そんなバンドが好きな人にはお薦めですね。
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2005 Formula One US Grand Prix
昨日アメリカGPは、近年のF1において
最悪のレースと呼べるものだったと思います。・・・と言うか、
あれはレースと呼べませんよね。・・・まず何が起こったかと言うと、金曜日にトヨタのラルフ・シューマッハーがインディアナポリスサーキットのバンク部分(最終コーナー)でクラッシュしたんです。ラルフは去年と同じ場所で大クラッシュしてしまったんですが、その原因となったのがミシュランタイヤだったんです。
ミシュランがアメリカGPに持ち込んだタイヤは耐久性に大きな不安を抱えていたんです。・・・で、それを重要視したミシュランは、代わりのスペックをフランスから空輸する事をFIA側に提案しましたが、FIAは今年のタイヤルールに則ってこれを却下したんです。そしてレース直前まで、最終コーナーにスピード抑制の為のシケインを設置するという(これが受け入れられた場合、ミシュラン勢がノーポイントとなる事も構わないとする)対応策が考えられていましたが、フェラーリがこの案に賛成せずこれも却下。結局、FIAは“タイヤが10周しか持たないのであれば10周ごとにピットインするか、最終コーナーはゆっくり走行しなさい”とミシュラン装着チームに告げて、日曜のレースが始まる事になったんです。そして、フォーメーションラップがスタートしたものの、ミシュラン勢は1周を終えたところで全車ピットイン、そのままガーレジに直行してしまったんです。レースは
ブリヂストン装着チームの6台だけでスタートした訳です・・・。
ブリヂストンユーザーが現在3チーム/6台いるとは言え、フェラーリ以外は下位チームになるので、レースを走りきればフェラーリの優勝(更には全チームポイントGET)が約束されていた事になりますが、6台全部走りきってシューマッハーは去年の日本GP以来となる久々の優勝、フェラーリの1、2フィニッシュ(3位はジョーダンのモンテイロ)という結果になりましたが、
観ていてあんなに空しいレースはなかったですね。これは走っているドライバーもそうだったと思います(モンテイロは喜んでいましたが、それも理解できます)。当然スタンドのお客さんは大ブーイングで、ペットボトルが投げ込まれるという、レース観戦にあるまじき行為も起きていましたが、お客さんの気持ちだって分かります。こんな風にレースをレースとして成立させる事ができなかった責任は、FIAのオーガナイザーとしての無力さ、ルール一辺倒で柔軟さのまったく無い態度にあると思いますが、
もっとも責められるべきなのはミシュランではないかと僕は思います。レース後のシューマッハーが、
“僕達とブリヂストンには、よりパフォーマンスに優れ、耐久性の低いタイヤがあったが、このサーキットではタイヤにどれだけストレスがかかるのか分かっていたので、それは持ち込まないという選択をした”と語っていましたが、まさにこれがミシュランには欠けていたと思います。ブリヂストンのCMではありませんが
、“タイヤはいのちをのせている”のです。ミシュランがこの事を軽視した結果がこの空しいレースだと思います。“危険だと分かったので攻めたタイヤは引っ込めます”では遅いのです。サーキットに詰め掛けたお客さんは勿論、世界中のファンがきちんとした形でレースが行なわれる事を望んでいましたが、フェラーリが取った態度は責められるものではないし、彼等には何の落ち度もないと思います。それよりもやはり、
今年のタイヤレギュレーションがおかしいと思いますね。こんな事を二度と繰り返さない為にも、もう一度考え直すべきだと思います。
・・・で、シューマッハーはドライバーズランキングで、フェラーリはコンストラクターズランキングで、それぞれ3位に踊り出た訳ですが、これによってチャンピオン争いは混沌としてきました。複雑な気持ちではありますが、これはこの先のレースを面白くしたと思います。レース中やクルマを降りたあとのバリチェロの態度も面白かったです。シューマッハーのチームメイトは最初は仲良くしていても結局ああなってしまいますが、
“文句があるならシューマッハーより速くなれ”って感じですよね(笑)。
ミシュランのプライドをかけた逆襲が予想されるフランスGPは7月1日開幕です。