The Policeのドラマー、
スチュワート・コープランドとJazz/Fusion界を代表するスーパーベーシスト、
スタンリー・クラークが結成したグループ、
Animal Logicのデビューアルバムです。1989年リリース。・・・このアルバム、とりたてて愛聴盤という訳でもないんですが、ちょっと目立つところに置いてあったので、何となく選んでみました。今日は何を紹介して良いのか全然決まらなかったので・・・。てことで、凄く久々に聴いているんですが。
The Policeはホントにカッコ良いバンドでしたねえ。今更言うまでもない事ですが。パンクのフリして出てきたくせにメンバー全員上手いわ、曲は良いわで・・・。スティングの書くシンプルで洗練された曲に彩りを加えていたのがアンディ・サマーズのギターで、躍動感や疾走感を加えていたのが、このスチュワート・コープランドのドラムだったと思います。
Oysterheadの記事の中でも似たような事書いてますけどね・・・。The Policeは、リズム的にも凄く面白い事を演っていたバンドでしたね。スチュワート・コープランドは間違いなく僕の
Favoriteドラマーの1人です。それで、もう一方のスタンリー・クラークはですね・・・、僕のようないつまで経ってもロックばかり聴いてるような奴には、
“ジェフ・ベックと一緒に来日した人”という第一印象のまま来ているんですよ。彼のアルバムを持っていても、それはジェフ・ベックがゲストで参加しているものであったり、レニー・ホワイトや
リッチー・コッツェンと組んだ(まあ、リッチー・コッツェンなんてオマケみたいなもんですけど・・・)
Vertuだったり。・・・で、当然メチャメチャ上手い人で、基本的にはJazz/Fusion方面の人な訳ですが、彼にはロックスピリットを感じますよね。ロックスピリットというかバカなところと言うか(笑)。もう行く時は徹底的に行くでしょう?最近のFusionベーシストの“実は僕上手いんですよ・・・ふふっ・・・”みたいな、やらしいベースとは違って、
“わしゃこんなに上手いんじゃー!こっち向かんかーい!ベキベキベキーン!”みたいなベースじゃないですか。勿論、そんな派手なプレイばかりでなく、非常にベースらしいベースも弾ける人ですし。決して地味には弾かない人ですけど(笑)。伊達にレツゴー三匹(これ、 “レッツゴー”じゃなくて“レツゴー”なんですって)の長作さんに似てませんよね。
・・・そんな2人が一緒に演るとなると、“インタープレイの応酬”みたいな派手な音楽を想像したり、期待したりしがちですが、これが全然違うんですよ。
デボラ・ホランドという女性シンガー・ソングライターをフィーチャーした
POPミュージックを演っているんです。Animal Logicはその3人によるグループなんですね。ジャケット写真のダルメシアンも向かって右から、スタンリー、デボラ、スチュワートという名前です。・・・勿論うそですけど。これを書く前にちょっと調べてみて、今日初めて知ったんですが(汗)、元々このグループにはアンディ・サマーズが加わる予定もあったみたいです。アルバムでは
マイケル・トンプソンがギターを弾いていて、この人は今でこそL.A.の有名なセッションマンですが、当時はまったく無名でした(やはりアンディ・サマーズを彷彿させるようなギターも所々で聴けますね)。YESの
スティーヴ・ハウも2曲に参加しています。殆んどの曲がデボラ・ホランド1人のペンによるものであるところを見ても、スチュワート・コープランドとスタンリー・クラークの2人が彼女をバンドの中心に考えていたというのが分かりますが、そこはこの2人の事ですから、どれもただのPOPソングには終わりません。あくまでも前面に出てきているのはデボラの歌で、女性ボーカルが好きな人が聴いても、何の違和感もなく聴ける音楽だと思いますけど、リズム隊の2人のプレイも凄く印象的なんですよ。この辺はやはり流石だと思います。
演奏、アレンジ共に非常に高度なPOPミュージックを演っています。ドラムを演っている人、ベースを演っている人が、各パートを目的に聴いても充分満足できる音楽だと思います。・・・まあ、こういうのが良い聴き方だとは決して思いませんけどね。
・・・冒頭で“愛聴盤という訳ではない”と書きましたが、久々に聴いてみたら、出た当時はかなり気に入っていて、繰り返し聴いていた事を思い出しました(笑)。僕の中でリバイバルヒットする予感もちょっとあります(この1stアルバムしか持っていないんだけど、2ndも聴きたくなってきたなぁ・・・。でも、とっくに廃盤らしい・・・)。どの曲も非常に爽やかなんですよね。音作りもきれいで。ちょっとThe Policeを彷彿とさせるアレンジの
“I Still Feel For You”、イントロのベース(ピッコロベース?)のフレーズが印象的な
“Firing Up The Sunset Gun”辺りが気に入ってます。
・・・3匹の犬、ホントは左から、じゅん、正児(または春夫)、長作らしいです。