間もなくレースがスタートするF1カナダGP、ここ数レース殆んど良いところのなかった、フェラーリ/シューマッハーは久々にフロントロウを獲得しています。スタートも上手く決めて面白いレースを見せてもらいたいものです。僕はティフォシではないですが、やはりあのチームが優勝争いに絡んできて初めて、F1は面白くなると思います。そんなカナダGPへの期待を込めて、今週の“今日の1曲” はカナダ出身アーティストの曲にしようと思いつきました(笑)。メチャメチャ安易です。しかもブライアン・アダムスというおもいっきりストレートな選択。 “カナダ”と言ってパッと思いついたのは、
k.d. langや
ロン・セクスミスなんですが、この人達は既に何度か紹介しているし、この人達の曲ではフェラーリの応援にもならなそうなんで・・・(笑)。Rushじゃ話がややこしくなりそうだし、ニール・ヤングってのも何でしょう?Bachman-Turner OverdriveやApril Wineのアルバムは持ってないし、いまどきTeazeに反応する人なんて殆んどいないだろうし。 そんなこんなでブライアン・アダムス、これは苦渋の決断です・・・(涙)。
ブライアン・アダムスと言えば、80年代半ばから90年代半ばにかけて次々とヒット曲を連発した人ですが、彼の魅力は何と言っても、その
素晴らしくメロディアスな楽曲にあったのではないでしょうか。彼のソングライターとしての評価の高さは、ブレイク前から
KISSのアルバムで曲作りに関与していた事からも分かります。あとはやはり、あの
ハスキーな声ですね。まあ、どちらも今更言うまでもない事なんですが、あの声で歌われるメロディアスな曲が、多くの音楽ファンのハート鷲づかみにしていたんだと思います。“ハートを鷲づかみ”だって・・・(笑)。僕の場合、鷲づかみにされていたかと言うと、そうでもなくてですね・・・、あまり熱心に聴いてはいなかったんですよ。どの曲も好きでしたけどね。80年代に一度コンサートを観に行った事もあるんですが、何かこう・・・、
凄くお行儀の良いコンサートだったんですよね。具体的に言うと、音量が小さ過ぎるように感じたんです。僕も普段からとってもお行儀の良い奴なんですけど、やはりロックコンサートにはガツンと行って欲しい面もあるじゃないですか。観終わったあとは耳鳴りして欲しいじゃないですか(笑)。まあ、これはウソですけど、そんな感じのコンサートだったので、どうも印象が薄いんですよね。でかい会場で観たので、ハコと音量のバランスが悪かったという話だったのかもしれませんが・・・。コンサート自体は盛り上がってましたけどね。僕はそんな思い出を持っているんですが、あの頃ブライアンの熱心なファンだった人は、今でも彼の事が大好きですよね。数年前の日本ツアー、武道館公演の様子(ブライアンがベースも弾いてトリオで演っていたやつ)をテレビで観ましたが、会場にいるお客さんが、
すべての曲をブライアンと一緒に歌っているような感じでした。あのLIVEを観た時は、実際に観た時より感動しましたね。“ブライアンはホントに良い曲と、素晴らしいファンを持っているなぁ・・・”なんて。良い曲はいつまで経っても良い曲ですね。当り前ですけど。
“Have You Ever Really Loved A Woman”が収録された
“18 Til I Di-e”は1996年にリリースされています。プロデュースは
ロバート・ジョン“マット”ランジ、
AC/DCやDef Leppardの大ヒットアルバムのプロデューサーでもある大物です。80年代の
“Reckless”や
“Into The Fire”といったアルバムでは、これまた大物プロデューサーのボブ・クリアマウンテンと組んでいて、その独特のリバーブ処理とブライアンの声や楽曲の絶妙なマッチングがアルバムの大ヒットに繋がったとも思いますが、'91年リリースの
“Waking Up The Neighbours”と、この “18 Til I Die”ではジョン“マット”ランジ。ブライアンの一種ラフな声には、こういった緻密な音作りをする人達が合っているという事なんでしょうか?そしてもうひとつ、ブライアンの音楽に欠かせないのが、ギタリストの
キース・スコットです。この人の弾くメロディアスなフレーズと素晴らしい音色が、ブライアンの曲を更に良いものにしているというのは、疑いの余地がないと思います。このジャケット写真で、ブライアンはグレッチのギターを持っていますが、キース・スコットはグレッチからシグネチャーモデルも出しているんですよね。色んなギターを使い分けても(悪い意味で)まるで関係のない音を出す人もいますが、キース・スコットの場合、ストラトはストラトらしく、レスポールはレスポールらしく、それぞれのギターの特性を生かした素晴らしいトーンを引き出せる素晴らしいギタリストだと思います。
・・・そして、ようやく“Have You Ever Really Loved A Woman”の話ですが、
この曲にキース・スコットは参加していません(笑)。これだけキース・スコットを持ち上げておいて、なんじゃそりゃ?という感じだと思いますが、参加していません。その代わり・・・、“その代わり”なんて言っては失礼なほど豪華なゲストがギターを弾いているんですが。その豪華なゲストとは、
パコ・デ・ルシア、現代のフラメンコ界 ・・・と言うより、ギター界の最高峰に位置するあの人です(確か、休暇か何かでパコが偶然アメリカにいるという事を知ったブライアン達が、急遽この曲への参加を依頼したとかそんな話があったと思いますが、きちんと覚えている方がいれば、是非ともコメントして下さい)。・・・この曲は元々、ジョニー・デップ主演の映画
“Don Juan DeMarco”(ドンファン)の為に書かれた曲で、この映画は公開当時映画館で一度観たきりで、細かい内容はよく覚えていませんが(汗)、ジョニー・デップの魅力満載の映画だったと思います。って、いい加減な・・・(笑)。それでラストにこの曲が流れるんですよね。確か・・・。映画もロマンチックでしたが(雰囲気は覚えてます・・・)、この曲も映画に負けず劣らずロマンチックです。・・・ジョニー・デップやブライアンに
“君は今までに本当に1人の女性を愛した事があるかい?”なんて言われれば別ですけど、会社帰りのサラリーマンが酒飲みながらこんな会話してたら殴りたくなりますよね(笑)。ホント、ロマンチックな曲で、パコのギターも勿論素晴らしいです。・・・と言うか、パコがこんな風にPOPミュージックの中でギターを弾いてくれた事がありがたいです。今回、初めてこの曲のコンポーザーとして、故マイケル・ケイメンが参加している事も知りました。
おねえちゃんを口説く時のBGMにして欲しい曲ですね。
・・・'96年に
“死ぬまで18歳”と宣言したブライアンは当時37歳、19サバを読んでいた訳ですが、そんな彼も今年で46歳になります。どうせなら彼が亡くなった時には享年18歳と墓碑に刻んで欲しいですね。って、縁起でもない事言ってすみません。