あけましておめでとうございます。記念すべき新春第1弾として、皆さんに御紹介するのは、僕のFavoriteギタリストのひとりでもある、ピーター・グリーンです。またしても、やたらと長い文章ですが、実はこの文章は今日書いたものではありません。ブログ開始初日の記事にあった“作りかけのHP”用に書いたものです。エコロジーの大切さが叫ばれる今日この頃です。限りある資源は大切に使いましょう。
決して、昨日の
“SRVカキコ”で、消耗している訳ではありません・・・。
それでは、
ピーター・グリーンさん、どうぞ。
何はともあれピーター・グリーン。インターネットを通じて色んな人と知り合う事ができたのも、この人のおかげです。あるサイトで、僕がこの人の名前を出したからなんです。そういった意味からも、僕にとっては重要なアーティストです。そんな事、ピーターには関係ありませんが。
1966年7月、ジョン・メイオールのバンド Bluesbreak-
ers にエリック・クラプトンの後釜として加入。1967年にアルバム“A Hard Road”を発表した後、ミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィー(は合流が少し遅れますが)達と
Fleetwood Mac を結成。Mac脱退後はソロとして活動し、長い隠遁生活を送った後、
1996年に奇跡の復活を果たしたギタリストです。詳しい事はピーターのファンサイト探して調べて下さい(笑)。
とにかく若い頃のピーターは最高です。・・・とか言ってますけど、若い頃の僕は、この人の良さがまったく分かりませんでした(笑)。“
なんかリバーブの効いた人だなぁ・・・”位にしか思っていませんでした。どうもすみません。ある日突然、この人の素晴らしさに気付いたんですよ。僕も大人になったという事でしょうか?レス・ポールから紡ぎ出される艶っぽい音色、味のあるボーカル、ハーモニカだって上手いです。最近はそっちの方が上手いです・・・(涙)。
若くしてブルースの達人になった天才だと思います。
あの B.B.KINGに
“俺に冷汗をかかせる白人ギタリストは、ピーター・グリーンだけだ”と言わしめた人です。クラプトンも立場ありません(クラプトンファンの皆さん、すみません)。いや、でもね、奇跡の復活の後に驚きの来日も実現したんですが、その東京公演でロンドン在住の日本人ベーシスト、クマ原田氏が最初に登場したんですよ。陣中見舞いに行ったら、ピーター達に“お前、司会やれ”とか言われたらしくて。クマさんの言う事にゃ、“
昔、ロンドンの若いギタリスト達は、みんながピーターのようになりたがっていた。エリック・クラプトンでも、ジェフ・ベックでもなくて、ピーター・グリーンになりたがっていた”という事なんですよ。まあ、当のピーターは、“あの頃のエリックは最高だった”とも言っているんですけどね。
サンタナがカバーして有名になった
“Black Magic Woman”、一度オリジナルバージョンを聴いてみて下さい。ピーターの音色の素晴らしさ、
艶っぽいギターとはどういうものかが分かります。“艶っぽい”と“いやらしい”の違いも分かります。勿論、“いやらしい”がサンタナです(笑)。・・・“いやらしい”では失礼か?“スケベ”と言った方が良いか?どっちも一緒か?(サンタナファンの皆さん、すみません) でも、サンタナの得意技であるフィードバックを利用したロングトーン、あれは完全に
ピーターからパクッたものなんですよ。僕はサンタナを先に聴いていたんですが、初めてBluesbreakers の“The Supernatural”を聴いた時、“あ、サンタナはこの人のパクリだったのか”と、即座に思いましたもん。いや、サンタナも素晴らしいんですけどね。ホントに。僕はどっちも好きなんですが。・・・フォローになってますでしょうか?
復帰後は中々精力的に活動しているんですが、ルックスはまるで別人(これはしょうがないけど)、ギターも自信を失ったままのような感じがして、少し残念です。でもまあ、とにかく若い頃のピーターのプレイを一度聴いてみて下さい。
レス・ポールというギターの最高の音色がそこにあります。
ちなみに上の写真でピーターが持っているレス・ポール、現在はゲイリー・ムーアが所有しているあのギターです。今では完全に褪色してしまい、まさしくレモンドロップという感じの色合いになってますが、昔はチェリーサンバーストだったんですねぇ。 当たり前ですけど。
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RECOMMEND
A HARD ROAD (1967)
ピーター・グリーンというギタリストを広く世に知らしめる事になったアルバムです(ピーターの初レコーディングは1966年発表のThe Peter B'sのシングル“If You Wanna Be Happy”、・・・すんません、聴いた事ないです)。1曲目の“A Hard Road”から、流麗なエリック ・クラプトンとは違った渋いギターを聴かせます。Bluesbreakersの前作で、クラプトンはフレディ・キングの“Hide Away”を演っていましたが、それに対抗するかのように“The Stumble” を演っているのは、自分もエリックに負けない位弾けるんだという、ピーターの意思表示だったんでしょうか?それともジョン・メイオールの作戦だったんでしょうか?(“The Stumble”は復活後のLIVEでもレパートリーにされています。) 2曲でボーカルも披露していますが、このアルバムのクライマックス、更には
ピーターの残した最高傑作のひとつでもあるのは、ピーター作の(後にピーターは“あれはプロデューサーのマイク・ヴァーノンのアイデアだった”と明かしていますが)インスト曲
“The Supernatural”でしょう。数年前まではベースを弾いていた、本格的なレコーディングは初めての二十歳そこそこの若者が、
既に自分のスタイルを確立していたと言う事が凄いです。凄すぎます(汗)。
THE PIOUS BIRD OF GOOD OMEN (1969)
邦題は“聖なる鳥”。このアルバム、Macのオリジナルアルバムではないんですが、“Black Magic Woman ”や“Albatross”といったヒット曲(インスト曲
“Albat-
ross” は '68年に全英1位を獲得しています。凄い時代だったんですねえ・・・)や、アルバム未収録の曲を中心にイギリスで編集された準オリジナル作と言っても良いアルバムです(同じようなアルバムにアメリカ編集の“ENGLISH ROSE/英吉利の薔薇”があります)。とりあえず初期のMacがどんなバンドだったかを知るのには丁度良いアルバムではないでしょうか。現在売られているものはBOXセットに含まれているものと一緒で、収録時間が長くなっているので、そちらの方がお薦めですかね。収録曲に多少の変更があるんですが。1曲目の
“Need Your Love So Bad”、僕のFavoriteナンバーのひとつなんですが、オリジナルバージョンは凄く短く編集されているんですよ。ソロに入るとすぐにフェイドアウトしてしまうんです。最近売られている方では曲自体も長くなっているし、別テイクを含めて
計5回 “Need Your Love So Bad”を聴く事ができます。
嬉しい悲鳴ってやつですね。アルバムを聴き終えた頃には、貴方もこの曲が
好きになっている事 間違いなしです。多分。
LIVE AT THE BOSTON TEA PARTY (1999)
タイトルからも分かる通り、1970年2月にボストンで行なわれたコンサートの模様を収めた LIVEアルバムです。過去に“Live In Boston”等のタイトルで発売されていた音源にリマスターを施し、未発表曲も加えて発表されたものです。Part1 から Part3 までの三部作になっています。
これはもう凄いです。スタジオではクールな印象を受ける事も少なくないピーターですが、LIVEでは
真っ赤に燃えてます。バンドの演奏もエネルギッシュで、ダニー・カーワンはピーターを煽るかのように弾きまくり、ジェレミー・スペンサーはロカビリーショーを展開したりと、馬鹿全開です、
大馬鹿です。全盛期のピーターのプレイがいかに凄まじかったか、初期のFleetwood Mac がどれだけ凄いLIVEバンドだったかを思い知らされるアルバムです。ミック・フリートウッドの“あのまま行けば、Macは
Led Ze-
ppelinのような地位も築けただろう”という言葉が本当であったというのが分かります。この時代の多くのバンドがそうであったように、曲の中でのジャムパートも長いです。特にこの時期のMacは、2度のアメリカツアーを通じて交流のあったGrateful Deadの影響もあって、そういう演奏になっていたようです。例を挙げると、“The G-
reen Manalishi”は13分、“Rattlesnake Shake”は25分にも及ぶロングバージョンになっています(ちなみに、Part1収録“The Green Manalishi”後半のジャムパートで、ピーターはFenderの6弦ベースをプレイしています)。ピーターに興味を持った人だけではなく、
すべてのロックファンに聴いてもらいたい、素晴らしいLIVEアルバムです。