オーティス・レディング、アル・グリーンから、ゲイリー・ムーア、忌野清志郎まで、“名曲の影に彼等のラッパあり” といった感のある名ホーンセクション、
The Memphis Hornsが数々のゲストを迎えて作ったアルバムです。昨日と似たような出だしですが、22時前まで何も考えずにサッカー日本代表戦を観ていたら、いざパソコンに向かう時に、何のアルバムを紹介したら良いのか、まったく浮かんでこなかったんです・・・。かなり焦りましたが、こういう時は企画ものに限るんですよね(笑)。自分の思い出に浸る隙もなく、次々に変わるアーティストを楽しみながら書けますから。・・・という事で、今日も企画ものです。
これを書き始める前に、The Memphis Hornsの2人が、どんなアーティストのアルバム/楽曲に参加しているのか確認してみようと思って彼等のHPを見てみたんですが、予想していた事とは言え、そのリストの凄さには驚きました。当然、スタックスサウンドの名曲にはすべてと言って良いほど参加しているし、中には“え?このアルバムにも入っていたの?”みたいなものもあって。・・・まあ、僕が知らなかっただけだったり、単純に忘れていたものもあるんですが、前者では
ピーター・ガブリエル、後者では
Cinderellaのアルバムなんかがありました。ピーター・ガブリエルとThe Memphis Hornsなんて結びつけた事なかったもんなぁ・・・。いや~、ブログを書くのって、ホント勉強になります。それではCDをかけますけど、日付変更までに間に合わないでしょうね(笑)。
オープニングはエタ・ジェイムスをゲストに迎えた、アル・グリーンの
“Take Me To The River”、こりゃもう貫禄というしかないですね。ブックレットにはこのアルバムのプロデューサー(男)と彼女が一緒に写っている写真があるんですが、身体が1.5倍ぐらいあります。凄まじい声量である事が予想されます。2曲目はメイヴィス・ステイプルズが歌う、オーティス・レディングの
“Fa-Fa-Fa-Fa-Fa (Sad Song)”、これまた貫禄ですわ・・・。彼女達のように第一線で歌い続ける事って結構大変な事だと思うんですが(やっぱり歳取れば声域も狭まったりするだろうし・・・)、このおばちゃん達はそういう事をまったく感じさせませんね。歳を取れば取るほど、凄みを増している感じです。ってか、男のようになっていってるような・・・(笑)。3曲目はオーティスの名曲中の名曲、
“I've Been Loving You Too Long”。この曲を歌うという果敢なチャレンジをしているのは、Gov't MuleやAllman Brothers Bandのギタリスト兼ボーカリスト、
ウォーレン・ヘインズです。ギターのみならず歌も素晴らしいウォーレンですが、こんなに有名な曲を“本物の音”をバックに歌うというのは、結構な決心がいる事だと思います。それでも、彼にしてみれば“夢が叶った”という感じなんでしょうか。ギターソロの音色も素晴らしいです。
サム・クックの
“Somebody Have Mercy”を歌っているのは、ボビー・ウーマック、ハモンドオルガンを弾いているのは、アイザック・ヘイズです。サム・クックの歌とは勿論印象が違いますが、彼に負けず劣らず熱い歌ですね。って、当り前か。5曲目もボビー・ウーマックとアイザック・ヘイズで
“Break The Chain”、これはボビー・ウーマックの曲ですが、僕は原曲聴いた事がありません。・・・けど、カッコ良い曲ですね。
って、それだけかーい!あ、ウォーレン・ヘインズは、この曲でもギターを弾いてますね。6曲目の
“Holding On To Love”というブルージーな曲を歌っているウィリアム・ベルの音楽は全然聴いた事がなかったんですが(汗)、スタックスレコードの重要なアーティストなんですね。勉強になります・・・。7曲目
“I'm Just Another Soldier”には、再びメイヴィス・ステイプルズが参加してます。しかし、ごっつい歌だなぁ・・・。こうなると、男も女も関係ないですね。ひたすら上手い歌、凄い歌と言うしかないです。
8曲目
“Rumors”は良いですねぇ~。The Memphis Hornsの2人が書いた曲を
ロバート・クレイが歌ってます。以前も書きましたけど、この人は素晴らしいギタリストであると同時に、ホントに素晴らしいボーカリストでもあって、スタックスのスター達と並ぶぐらいの歌を聴かせてくれる人だと思います。彼のアルバムにはThe Memp-
his Hornsもよく参加しているので相性も抜群で、ギターソロも最高です。
“Roller Coaster”を歌っているのは、ブルース・チャンネルという人ですが、この人も全然聴いた事ありません・・・。'62年に“Hey Baby”というナンバーワンヒットを放った人らしいんですけど。詳しい人いたら教えて下さい。10曲目
“You Don't Miss Yo-
ur Water”にはウィリアム・ベルが再び参加してます。この人の歌を真面目に聴いたのは今日が初めてなんですが(笑ってる場合じゃないけど・笑)、良い声してますねえ。オーティスやエディ・フロイドだけじゃないんだなぁ・・・って、当り前ですけど。 ・・・あ、最近スタックスのコンサートを収めたDVDが出たんですね。ちょっと観たいです。そして、最後はレオン・ラッセルが参加した
“Desire In Your Eyes”、これはちょっと音があまり好きじゃないですかね・・・。ドラムがバシャバシャ言ってて。
日付が変わったのを良い事に、色々よそ見しながら書いていたんですが、このアルバムはそんな風にリラックスして聴くのにも向いてますね。まあハッキリ言って、企画ものの域を出ていないと思うんですけど、それぞれの曲でホントに素晴らしい歌を聴けたりするので、まあ勘弁してやろうかという気になります(笑)。個人的なベストトラックはロバート・クレイの
“Rumors”ですね。これはもう文句なしです。