
スーパーPOPグループ、Jellyfishの中心人物だった、キーボーディストのロジャー・マニングと、“Spilt Milk”完成後にギタリストとして加入したエリック・ドーヴァーが結成したバンド、Imperial Dragが一枚だけ残したアルバムです。これ、Jellyfishが好きだった人以外には、殆んど気にしてもらっていないといった感じのアルバムなんですが(笑)、
結構良いんですよ。・・・この “結構”というのがミソなんですけど(笑)。
Jellyfish解散後、まず目立った動きを見せたのはエリック・ドーヴァーで、彼はGu-
ns N' Rosesのスラッシュ(当時はまだGN'Rのメンバー)が、ソロプロジェクト的に組んだバンド、Slash's Snakepitにボーカルとして参加し、来日もしています(スラッシュのバンドに、元Jellyfishのメンバーが加わったと聞いた時、“え?そんな人いたっけ?”と失礼にも思ってしまったんですが、Jellyfishが'93年に唯一の来日公演を行なった時のメンバーでもあったんですよね・・・)。当然、Snakepitは、Jellyfishとはかけ離れたハードな音楽を演っていたし、当のエリックも、ちょっとアクセル・ローズを彷彿とさせる搾り出すような歌い方もしていたので、僕は “ホントにこんな人が あのバンドにいたのか?”と、少しばかり混乱してしまいました。
Snakepitでの活動の後に、このImperial Dragのアルバムが発表されて、それを聴いたた時、僕は“これなら納得”という感じがしました。Jellyfishよりは、はるかにロック色が強いんですが、そこにJellyfishとも通じるPOPテイストも感じられたので。アルバムの裏ジャケットには、金髪のおねえちゃんがバンドのポスターが貼られた部屋で、Imperial DragのLP盤を取り出している、ちょっとレトロな感じの写真が使われているんですが、この画は、バンドの音楽性を良く表わしていると思います。
簡単に(というか安易に・笑)言えば、グラムの要素も感じられる70年代的なロックです(CDジャケットの装丁もそんな感じだし)。1曲目からちょっと跳ねた感じのロックナンバーで、“その時代”を身をもって経験した人達にしか出せないようなノリ(他にいい言葉ないんかー)が出ています。この曲を聴いた時から、僕の中では “アンディ ・スターマー=POPS職人”に対して、“ロジャー・マニング=ロッカー”という図式ができあがったのでした。
それで、最初の方で書いた“結構良い”なんですが、実は僕、このImperial Dragの事を
B級バンドだと思っているんですよ。B級といっても、けなしているのでは全然なくて、一流のB級だと思っているんです。賛成の反対、バカボンのパパなのだ。
僕は、このバンド以外にも、例えば僕のFavorite Groupでもある、THIN LIZZYやUFOといったバンドもすべてB級だと思っているんです。今でこそ、T-REXやデヴィッド・ボウイも、ロックの歴史において重要なミュージシャンですが、出てきた当時は 胡散くさくて、B級の香りがぷんぷんしていたじゃないですか。大体、エレキギターやロックという音楽自体がインチキみたいなものでもあるんだし、ロックバンドのすべてが、The BeatlesやLed ZeppelinみたいなA級だったら困りますよね(笑)。 ・・・困らないかもしれないけど、面白くはない。だからといって、僕がB級好きという訳でもないんですが。
更に、先程挙げたTHIN LIZZYやUFOの場合、いくら僕が彼等をB級と呼んでいようと、ロックファンなら誰でも知っているようなアルバムを残していますが、Imperial Dragのこのアルバムは、そういう風に
後世に語り継がれるようなものでは全然ないと思うんです(笑)。どの曲も練ってあって、アルバムを通して“捨て曲”のようなものはないし、非常に良くまとまっているとは思うんですが、絶対的な名曲というのもないと思うんですよね。あくまでも、僕個人の意見ですが(ていうか、好きな曲、カッコ良いと思う曲だらけです)。そんな感じで、褒めてるのか、けなしてるのか良く分からない文章になってしまいましたが(笑)、ロック好きの人、特に70年代のロックが好きな人が聴けば、
思わずニヤリとするようなアルバムだと思います。僕は長いこと聴いてます。
少し前は、CDショップのクリアランスセールで、数百円で投売りされているのもよく見かけたこのアルバムですが、発売された当時は(多少)話題になって、前座も従えて(笑)来日も果たしているんです。僕は観てませんけど。しかも、NHK衛星放送の音楽番組に出演したりもしたんですよね。Imperial Dragの前座グループ、The Moog Cookbook(最高!)のメンバーでもあったロジャー・マニングは、BECKのレコーディングやツアーに参加したり、最近ではモリッシーのNEWアルバムにも参加しているみたいです。一方、エリック・ドーヴァーの方は、アリス・クーパーに曲を提供したりしていて、現在はバンドのメンバーでもあるみたいですね。最新アルバムの裏ジャケットにも写ってました。去年、日本のKISSファン主催のイベントに、エリック・シンガー(正式メンバーでもあったのに、今では偽ピーター・クリス・笑)のバンドの一員として来日もしていましたが、どうもこれは“アリスつながり”だったみたいです。