ひと月ほど前、Ramonesのドキュメンタリー映画 “End Of The Century”を観たんですが、これが凄く面白かったんですよね。その映画を観終わった直後に、The Brian Setzer Orchestraのコンサートを観たんですが(当然、この日のメインイベントはこっちだった)、そっちより映画の方が印象に残ったというぐらい。ジョーイ・ラモーンの歌やスティーヴ・ジョーンズ(Sex Pistols)のギターは大好きだし、The Clashの曲の中にも好きなものが沢山あるんですが、僕はパンクロックという音楽に入れ込んだ事は無かったので、Ramonesの熱心なファンであれば知っているであろう事もほとんど知らなくて、この映画で知った多くの事実にはビックリしながらも感動してしまいました(自分達の方がよっぽど怖そうなロンドンパンクスの連中が、イギリスに発上陸したRamonesのメンバーに、殴られるんじゃないか?と、ビビりながら会いに行ったという話には笑ったっす)。
それで家に帰って、映画のパンフレット(LPジャケットの形してて、素晴らしくカッコ良いんすでよ)や、持っているアルバムのライナーをじっくり読んだり、曲のクレジットを見たりしてたんです。・・・実は、曲のクレジットを見るのは今回が初めてなんですが(汗)、まずここで、気づいた事がひとつ・・・。僕の好きな“Pet Sematary”や “I Believe In Miracle”、“Something To Believe In”といった、哀愁のメロディを持つ曲は、すべてディー・ディー・ラモーンが作った曲であった・・・。
うわ~、ディー・ディーごめんよ~。あんたの事は、ただのベーシストぐらいにしか思っていなかった~。
ラモーンズファンの皆さんもごめんなさ~い!!そんな僕には、Ramonesのオリジナルアルバムを語る資格はありません・・・(涙)。このカバーアルバムの紹介がせいぜいです・・・。せめてこのアルバムだけでも紹介させて下さい・・・(泣)。
・・・で、このアルバムでカバーされている曲のオリジナルバージョンを全部聴いた事があるかというと、実はこれもありませんねん(笑)。どーもすみません。だって、古い曲が多くてねぇ・・・(テッド・ニュージェントは聴いてても、Amboy Dukes聴いてる人はそんなにおりまへんで、普通・・・)。この辺からも、Ramonesのメンバーは筋金入りのロックファンであったという事が窺えます。僕、カバーアルバムって、結構好きなんですよ。選曲から、そのアーティストのルーツみたいなのが垣間見えるじゃないですか。勿論、その人達のセンスも大いに問われる訳ですし。それで、Ramonesのメンバーは60年代のサイケデリック・ロックやPOPSに強く影響を受けているというのが分かる訳です(まあ、世代的なものを考えれば当然なんですが)。実はメンバーも大好きだったという、Bay City Rollers等のバブルガムPOPのカバーが無いのはちょっと残念ですが(結構はまる曲も多いと思うんですけどね)、ブライアン・ウィルソンの書いたサーフナンバーのカバーは、“やっぱりそうだよね~”という感じです。
“お前、一発かまして来い”と、ジョニー軍曹に言われたんでしょうか、C.J.が歌い、ベースソロ(・・・は大げさか?)まで演ってしまう疾走ナンバー“Journey To The Center Of The Mind / 夢幻の旅”(邦題カッコ良い!)から始まり、“Surfin' Safari”(これは日本盤ボーナストラック)まで、どれも “Ramones印”をつけながらも、原曲の良さを生かしたグーな仕上がりざます。いや~、ジョニーって、ジミヘンやレズリー・ウェストが好きだったくせに、
“俺は誰にも影響受けてない” とか、うそぶいてたらしいですが(笑)、誰にも影響受けてない人が、こんなにカッコ良く他人の曲弾けませんよね~。ホ~ント、ミュージシャンって嘘つきですね(笑)。The Whoの“Substitute”では、ピート・タウンゼンドがコーラスで参加、The Rolling Sto-
nesの“Out Of Time”も原曲に近いアレンジで、パンクと言えども、先輩達に対する敬意を感じます。なんかRamonesのメンバーって、良い人っぽいですよね。映画観たあとなんで、ジョニーはちょっと怖いけど・・・。
他には、“Somebody To Love”(Jefferson Airplane)、“Can't Seem To Make You Mine”(The Seeds・・・は聴いた事ないっす・汗)でのジョーイの歌が印象的ですね。ジョーイ、歌上手いな~。CCRの“Have You Ever Seen The Rain”や、C.J.が歌うボブ・ディランの“My Back Pages”も、疾走ナンバー化していて、ナイスです。C.J.って、ディー・ディー脱退後のRamonesの原動力になっていたんでしょうね。 “Wild Thing”で有名なTroggsの曲も演っているんですが、 このバンドのリフって凄くカッコ良いですよね。歌が入ったり、動いてる姿を観たりすると、ちょっと引いてしまうんですが(笑)。
そんなロックへの強い愛情を感じるこのカバーアルバム、“不発に終わった”と評される事も多いみたいなんですが、僕はよく聴いてます。
P.S. カバーといえば、この“Acid Eaters”の次に出た、最後のスタジオアルバム “Adios Amigos”に、シークレットトラックとして収録されている“スパイダーマンのテーマ”、あれ、
エアロが演ったやつの何倍もカッコ良いんで、“Spiderman 3” を作る際には、是非使って下さい。>サム・ライミ監督