1991年にリリースされた、
Dan Reed Network の3rdアルバムです。今日も古いアルバムですね~。・・・でも、今日はあえてこの時代のアルバムを選んでみました。最近、少し古い音楽が注目を集めているようなところがありますよね。本屋へ行けば、The BeatlesやLed Zeppelin、Queenといったバンドが表紙の雑誌が並んでいます。これは明らかにこういったバンドの全盛期に青春時代、または少年時代を過ごした人達を狙い撃ちにした企画だと思いますが、実際、僕もよく撃たれてます(笑)。・・・ただ、種類が増えているのと同時に、内容がつまらないものも増えているのは困ったものですが(K談社のあれはちょっとなぁ・・・)。70年代の音楽を特集した本があれば、当然80年代をメインにしたものあって、それはレコード業界も一緒のようです。70'sコンピや80'sコンピが花盛りといった感じですよね。・・・という事で、
今日のテーマは80年代(って、大げさな~)、'91年のアルバムを紹介しておいて80年代と言うのもどうかと思いますが、この
“The Heat”というアルバムは、彼等の最後のスタジオアルバムとなったものなので、
“Dan Reed Networkは80年代のバンド”と位置付けたいと思います。少々強引ですが、そうしないとこの先の文章が成り立ちません(笑)。
今思うに、80年代の音楽シーンはMTV/プロモーションビデオの時代であったのと同時に、
プロデューサーの時代ではなかったか?という気がします。アルバムのセールスを伸ばすには、優れたプロモーションビデオを作って、MTVにヘビーローテーションで流してもらうというのがまず第一、そして既に名前の知れたバンドの場合は、売れっ子プロデューサーとアルバムを作るというのが成功への近道でした(もうひとつ、優れた外部ライターと曲を作るというのもありますが、それは今もなお続いている感があるので、今回は触れないでおきたいと思います)。
マイケル・ジャクソンと
クインシー・ジョーンズ、
マドンナと
ナイル・ロジャース、
U2と
スティーヴ・リリー・ホワイト、
ブライアン・アダムスと
ボブ・クリアマウンテン、
Heartと
ロン・ネヴィソン、
子供ばんどと
リック・デリンジャー等々・・・。勿論、その殆んどが70年代から活躍している人達ですが、80年代にモンスターヒットを放ったアーティストと、こういった有名プロデューサーの関係は切っても切り離せないものだと思いますね。また、洋楽のリスナーが、ごく普通に“このアルバムは○○のプロデュース”といった事を口にするようになったのも、この時代からだったのではないでしょうか?
そして、VAN HALEN、Bon Jovi、Def Leppardといったバンドの大ヒットで、それまでは限られたファンの間でしか聴かれていなかったハードロックという音楽が、市民権を得たのもこの時代だったと思います。・・・え~と、どうやって本題に移ろうか。適当にネタをでっちあげていたら、収拾つかなくなってきました(笑)。・・・Bon Joviがブレイクしたきっかけとなったのは、麻倉未稀が日本語でカバーした“Runaway” なんかじゃ全然なくて、
ブルース・フェアバーンという当初は大したバンドと関わっていなかった人物(Bon Joviが彼の事を知ったのも、BLACK N' BLUEのアルバムを聴いたからなんですよね)がプロデュースした3rdアルバム
“Slippery When Wet”でしたが、このDan Reed Networkも、彼のプロデュースによるアルバムでデビューを飾ったバンドなのです。・・・かなり強引に、ここまで持ってきました(笑)。既に故人となってしまいましたが、Bon Joviを大ブレイクさせてからのブルース・フェアバーンの威力はホントに凄かったです。エアロも、AC/DCも、VAN HALENも彼のプロデュースでアルバムをヒットさせましたから(僕はどのアルバムも、それぞれのベストだとは思っていませんけど、売れれば正義みたいなとこありますからね・・・)。
Dan Reed Network は、ブルース・フェアバーンのプロデュースによるアルバム
“Dan Reed Network”で'88年にデビューを飾り、翌'89年に今度はナイル・ロジャースという、またまた売れっ子プロデューサー(兼ミュージシャン)と組んで2ndアルバム
“Slam”を発表します(僕が最初に聴いたのはこの“Slam”で、1stの方は21世紀に入ってから、大手輸入盤ショップのワゴンセールで発見して入手しました・笑)。彼等の音楽をひと言で表現すれば、やはり
ファンクロックというのが適当かと思います。同じ頃、
Living Colourのようなバンドも出てきたし、The Red Hot Chili Peppersはファンク色を、逆にFishboneはロック色を強めてきた時期でしたが、Dan Reed Networkもこれらのバンドと近いところに位置するバンドだったと思います。・・・と言っても、彼等には他のバンドのような破壊力は無く、もっと洗練された感じです。ブルース・フェアバーンのプロデュースという事からも分かるように、曲は非常にPOPで、中にはBon Joviが演っていても不思議ではないほどキャッチーな曲があったりします。ボーカルのダン・リードを含め、メンバーは5人、
白人2人に
黒人2人、そして
日系人キーボーディストが1人(この人のキーボードがセンス良いんですよね)と、メンバー構成からしてミクスチャーと呼ぶに相応しいバンドでした。この結果的には最後のスタジオアルバムとなってしまった
“The Heat”は、彼等の残した3枚のスタジオアルバムの中で一番ロック色が強い感じで、なお且つ曲調はバラエティに富んでいます。どの曲も非常に練ってあって素晴らしいと思います。
“Mix It Up”や
“Thy Will Be Done”はメチャメチャクールな曲だし、
“Let It Go”は名バラード、
“Chill Out”は和みます。Pink Floyd
“Money”のファンキーなカバーも演ってます。
・・・以前も書いたんですけど、最近日本でも“ミクスチャー”と呼ばれるジャンルが一般的になったような感じがありますよね?でも、そういった“自称ミクスチャー”バンドの多くは、レッチリやレイジのパクリみたいなバンドばかりで、ただスラップベースとラップを取り入れてるだけじゃないですか。他のバンドが色んな音楽をミックスして作り上げた音楽をただ真似しただけじゃ、ミクスチャーでも何でもないですよね(笑)。自分達で混ぜてから、ミクスチャーって言って欲しいっすよ。
今日は元々、“何か80年代っぽいキラキラしたアルバムを・・・”とか思ってアルバムを探していたんです。それで、これを思い出して久々に聴いてみたんですが、今聴いても中々カッコ良いんですよね。80年代に流行ったアルバムを今聴いてみると、ちょっと古くさく感じるものも少なくはないんですが、このアルバムに限ってはそんな事は全然ないんです(これは'91年のアルバムですけど、その辺にツッコミ入れるの禁止です)。
売れなかったのが不思議なぐらい良いバンドだと思うし、ホント良く出来たアルバムなんですよね。CDを聴きながら “これって今でも売れるんじゃないの?” とか、“こういう音楽は今の日本でもウケるでしょう”なんて考えて、最後はそういう事を書いて締めようと思っていたんです。
“B'z辺りが好きな人は結構気に入るかもしれません”とか・・・。それでまあ、“書き始める前に何か情報を・・・”と思って、ちょっと検索してみたら、
B'zの曲にはこのバンドの曲とソックリなやつがあるらしいじゃないですか(笑)。しかも1曲だけじゃないんですか?僕、B'zのアルバムなんて聴いた事もないんで、これにはビックリしましたよ。“笑”ちゅうか
“爆笑”だな。いや~、松本孝弘さすがですね~。これは皮肉でもなんでもなく、さすがだと思います。以前テレビで、エアロの曲にそっくりなB'zの曲を聴いた事はあったんですが、まさかDan Reed Networkの曲までパクっていたとは~。エアロならすぐバレるでしょうけど、Dan Reed Networkなら簡単にはバレませんもんねぇ(笑)。結局バレてる訳ですが。さすが長者番付に載る人は違いますね~。感動した!目の付けどころがプロフェッショナル!日本人の鑑です!・・・という事で、
B'zが好きな人は是非!
・・・でも、アレだな、B'zは洋楽の入口として優れているのかもしれないな(笑)。