1992年リリースのロニー・ウッド、5枚目のソロアルバムです。・・・このブログでは、なるべくメジャーなアーティスト/アルバムを取り上げないよう心掛けていて、The Ro-
lling Stonesなんてもっての外なんですが(笑)、ロニー ・ウッドのソロアルバムぐらいなら、まあ良いか・・・なんて思いまして。“ロニー・ウッドぐらい”とは、失礼極まりないですが。ファンの皆さん、すみません。大体、The Rolli-
ng StonesやThe Beatlesのようなバンドには、濃すぎるファンも沢山いるので、こういう場所で分かったような事を書くと、色々突っ込まれそうで怖いんですよ(笑)。
勿論、僕も彼等の音楽は好きなんですが、あそこまでビッグなアーティストになると “曲も知ってるし今更僕がアルバム全部買う事もないか・・・”みたいに思ってしまいまして~。まあ、要するに天邪鬼な性格がそうする事を許さないんです(笑)。特にストーンズの場合は、以前の僕の周りに、そんな感じの濃すぎる人が多かったんですよね。同じアルバム(LP)を2、3枚ずつ持っていて、ストーンズがまだ来日していなかった(できなかった)時期に、わざわざアメリカまで観に行くような人とか・・・。でも この人、ロニーがボ・ディドリーと一緒に来日した時、観に行けなかったんでやんの(笑)。僕は観に行ったもんね~。それでまあ、
ロニー・ウッドのソロぐらいなら・・・という事で、このアルバムを紹介したいと思います。
ギタリストとしてのロニーはどうなんでしょうね~。正直、僕は彼のギターを
もの凄く個性的だとは思わないし、大ファンという訳でもないです。彼の弾くスライドギターは独特で、結構好きですけどね。歴代のストーンズギタリストの中でも、個性という面では一番薄いんじゃないかと思うし、ちょっとキースのスタイルに近すぎるという気もします。勿論、これが今のストーンズにとっては非常に有効で、キースとの抜群のコンビネーションに繋がっているんだとも思いますが。僕はミック・テイラー在籍時の音が一番好きで、彼の脱退後/ロニー加入以前に、メンバーになりかけたというロリー・ギャラガー(オーディションを兼ねたセッションをしたらしくて、ミックは彼の加入を望んでいたんだそうです)が実際に入っていたら、ミック・テイラー期の音がある程度継承されていたのではないかとも思いますが、このラインナップは絶対長続きしなかったでしょうね。ひょっとしたら、バンドもここまで長く続いていなかったかもしれない。バンドの潤滑油としての役割を考えても、ロニーの存在は大きいと思います。
ロニーの1stソロアルバム
“I Got My Own Album To Do”の邦題、
“俺と仲間”というのが、彼の性格やスタイルを表わしているんじゃないかとも思うんですよ。プレイ面などでは、とり立てて個性が強い訳でもないけれど、ペダルスティールでも何でも器用にこなしてしまうし・・・JEFF BECK GROUP加入時にベースに回されて あんなにカッコ良いベースを弾いたのはホント凄いと思いますね・・・誰か他のプレイヤーと組んだ時の間の取り方みたいなものには素晴らしいものがあると思います。ホント、
最高のチームプレイヤーですよね。彼のそういったスタイル、スタンスが、ボブ・ディランのような超ベテランから、The Corrsといった若手にまで広く好かれているんだと思いますね。・・・これを書く前に彼のHPを見てみたんですけど、彼がスラッシュ達とセッションしている動画もあって、そこではGN'Rの“Paradise City”を演奏しているんです(笑)。これは凄いと思いましたね。皮肉でも何でもなく。そういった
永遠のファン気質のようなものが、ロニーの魅力でもあると僕は思います。・・・そう言えば、画もメチャメチャ上手いですしねえ。本当に器用な人ですよね。あと、
60年代からルックスが殆んど変わらないのも凄いですし、キースには似合わない(と思う)ストラトが似合うというのも彼の強みです(笑)。
この
“Slide On This”は、ストーンズも無事来日を果たして、ロックファンのみならず、男闘呼組のようなジャニーズ関係者にも人気が浸透した“Steel Wheels To-
ur”の後に出されたアルバムです。そのツアー以来、ストーンズのコンサートではすっかりお馴染みになった
バーナード・ファウラーが、このアルバムでも重要な役割を果たし、殆んどの曲で共作者としてクレジットされています。・・・というのは、今回初めて気づきましたが(笑)。他にも、チャーリー・ワッツ、イアン・マクレガンといった身内から、チャック・リーヴェルといったほぼ身内、、サイモン・カークのようなベテランから、U2のエッジ、Def Leppardのジョー・エリオット、Hothouse Flowersなどの若手(当時)まで、ロニーの幅広い交友関係を示すような豪華なメンバーが名を連ねています。若手3アーティストは、ダブリンのご近所さんだったりするんでしょうか。FUNK色が強い曲も結構ありますが、これはやはりバーナード・ファウラーが持ち込んだものなんでしょうね。そういった曲の中でも、2曲目に入っている
Parliamentのカバー
“Testify”がカッコ良いんですよ。もの凄く。個人的には、この曲がアルバムのベストトラックですかね。・・・カバーがベストトラックというのもアレですかね?だったら、ジョー・エリオットも参加している
“Always Wanted More”でどうだ? ・・・“どうだ?”って、誰に聞いてるんだ(笑)。また、ギターと同じで、ロニーの歌も決して上手いとは言えないものだと思うんですが、時として彼の歌う曲は、本職のボーカリストが歌うものよりも印象的だったりするんですよね。
Facesの
“Ooh La La” や、この曲なんて最高だと思いますね。そんなロニーの
軽い魅力(笑)が沢山詰まった、中々の好アルバムだと思います。