Hanoi Rocksへの参加で 今話題沸騰中・・・か、どうかは分かりませんが、
コニー・ブルーム率いる
Electric Boysのデビューアルバムです。少し前からバンド側は認めていないのに“俺はHanoi Rocksに入った”と自分のHPで発表して、マイケル・モンローに冷たくあしらわれたりしてましたが、結局メンバーになったみたいですね。同じく元Electric Boysのベーシストも、Hanoi Rocksに加入したそうで・・・。北欧のロックシーンは狭いという事なんでしょうか。最近、その辺のバンドに疎いので、よく分かりません。でも、コニー・ブルームは、中々優れたミュージシャン/ソングライターだと思うので、ビッグとは言えないまでも、有名なバンドに入れて良かったと思います。この少し前には、The Wildheartsのジンジャーのソロプロジェクト、Silver Ginger 5の一員として来日もしていたんですよね。The Wildheartsも詳しくないんですが。・・・という事で、昨日に続いて
“こんなバンドいたなぁ”シリーズです。“第2弾は未定です”とか言っておいて、いきなり続き書いてんじゃん(笑)。
Electric Boysが地元スウェーデンでアルバムデビューしたのは'89年ですが、翌
'90年、新たにレコーディングした5曲を加えたNEWバージョンの
“Funk-O-Met-
al Carpet Ride”で、ワールドワイドデビューを飾ります(今回紹介するのも当然こちらの方)。このバンドは中々カッコ良いですよ。アルバムタイトルやジャケットを見ても分かりますが、90年代に出てきたバンドとしては、ちょっと前時代的な雰囲気を持ってますよね。“Carpet Ride”というところが、
どこかラリってそうです(笑)。僕としては、あの時代に、こういったバンドがスウェーデンから出てきたというのが面白かったですね。スウェーデンと言えば、ABBAに始まり、ABBAに終わるという・・・て、
終わったらあかんやないかー!・・・70年代のABBAに始まり、90年代のTh-
e Cardigansに受け継がれていった スウェディッシュPOPというひとつの流れがあり、もうひとつは、Europeやイングヴェイ・マルムスティーンに代表される、所謂様式美ロック/北欧メタルといった感じの音楽、流れを思い浮かべますが、このElectric Boysは、そのどちらにも属していませんでした。・・・まあ、こんな格好で、ABBAのような音楽を演られても困るんですが。ABBAの衣装も結構きついものがありましたけどね・・・。特にビヨルン・・・。
アルバムタイトルが“Funk-O-Metal Carpet Ride”、オープニング曲のタイトルが
“Psychedelic Eyes”とくれば、大体のところは想像できると思いますが、そんな感じの音楽です。・・・凄い手抜きだ(笑)。バンド自身が“Metal”と言っているんで、Heavy Metalの範疇に入るんでしょうけど、僕の感想としては、それほどメタル色は強くないと思います。・・・まあ、この時代に髪の長かったミュージシャンが演っている歪んだ音のギターが入っている音楽は、VAN HALENでも、BON JOVIでも、全部ヘビーメタルと呼ばれていたようなところもあるので、こういった事に拘ってもあまり意味がないとも思いますが。・・・ただ、
ファンク色は結構感じられますね。ドラムのノリもでかくて個人的には好きなタイプです。また、こういった感じのバンドのお約束として、ジミ・ヘンドリックスからの影響も感じられるんですが、バンドのギターの音(2人いるうちの恐らくコニーの方だと思います)が、当時流行っていたストラトにリアハムみたいな音ではなく、普通のシングルコイルっぽい音・・・、ノーマルのストラトの音なのも好感が持てますね。そんな感じのバンドサウンドに、コニーの艶っぽいボーカルが乗ってくるんです。・・・そうなんですよ、このバンドの音は
どこか艶っぽいというか、
“その種”のミュージシャンしか持っていない匂いがあるんですよね。この辺が他のスウェーデンのバンドと違いました。フィンランドにはHanoi Rocksがいましたけど。
新たに加えられた5曲は、最近では一部のMetallicaファンから排斥運動も起こされているという(笑)
ボブ・ロックの元で録音されているんですが(The Cultの“Sonic Temple” をプロデュースした後になりますかね)、僕はそれ以外の曲、スウェーデンで録音された曲の方が、“匂い”が強いような気がして好きです。彼等はこのアルバムの後、'92年に2ndアルバム
“Groovus Maximus”をリリースして、このアルバムには、The Beatlesの影響を感じさせる曲が入っていたりして、僕は結構好きでしたね。そのまた2年後の'94年に3rdアルバム
“Freewheelin'”を発表しましたが、お生憎さま、僕は聴いてません(笑)。結局、この3枚を残してバンドは解散という事になったようですが、コニー・ブルームはソロとしても何枚かアルバムを発表したり、前途のSilver Ginger 5に参加したりして頑張っていたようです。そして、ついに念願の(?)Hanoi Rocks入りを果たして、今はきっと幸せな気分でいるんだろうと思ったら、
最近、白いオールドマーシャルを無くして悲しんでいるみたいです(笑)。・・・今笑いましたけど、僕には彼の気持ちがよく分かります。実は、僕も昔、マーシャルのキャビネットを盗まれた事があるので・・・(泣)。
・・・そんな風に、決して“ついてる”とは言えないコニーですが、カッコ良い曲を書ける、華のあるミュージシャンだと思うので(最近はドレッドヘアーにしてるみたいですね)、Hanoi Rocks入りは両者にとって良い事なのではないでしょうか。どちらかと言うと、Hanoi Rocks側が得してるような・・・。