・・・え~と、コンサートどこまで進行してましたかね?・・・あ、まだ3曲だけでしたか(汗)。これ以上話が横道に逸れないようにしないと、このLIVEレポート(のようなもの)を終わらすまで今年いっぱいかかりそうです。それは何としても避けないと~。 ・・・てことでどんどん進めて行きますが、その前にまず、僕はThe WhoのLIVEに完璧さのようなものは求めていないというのを書いておきます。ピート・タウンゼンドのギターソロが適当だったとか、ロジャー・ダルトリーの音程が怪しかったとか、誰がどこでトチったとか、そういうのは結構どうでも良いです。The Whoに限らず、ロックバンドのコンサートに多少のミスはつき物と言うか、本物のロックバンド(バンドに限りませんが)のコンサートであれば、それを補って余りある感動を与えてくれる筈だと常々思っているので。まあ、“誰が観ても下手、ボロボロ・・・”では困りますが、The Whoの場合、実際の演奏力はもの凄く高い人達ですからね。少しばかり荒さがあっても。なので、細かいことは全然気にしないで観てきました。何たって、The Whoだし(笑)。
キース・ムーンやジョン・エントウィッスルが生きていた頃は、“本人達も制御不能なんじゃないか?”と思わせるほど強烈なLIVEを展開していたバンドじゃないですか(映像でしか観たことないけど・・・)。その頃に較べれば(比較すること自体に無理があるんだけど・・・)、最近の彼等のLIVEはもの凄く安定してますよね。僕はそれはそれで歓迎すべきことだと思うんです。“世界屈指のLIVEバンド”と評される一方で、レコーディングでは下手なプログレバンドも真っ青になるぐらい凝ったことをしてきた人達なので、スタジオアルバムの再現度も高い今のThe WhoのLIVEのあり方も素晴らしいと思います。・・・そりゃ、オリジナルメンバーのThe Who、ロジャー、ピート、キース、ジョン、4人のThe Whoも観たかったですが(当たり前・・・と言うか、3人の時代でも良かった)、ピートの頭の中にある音をLIVEでもより再現しやすい、今の2人+4人のThe Whoによるコンサートも全然アリだと思います。・・・いかん、既に横道に逸れてきてるな(汗)。
初期の曲3連発で始まって、次に来たのが最新アルバム“Endless Wire”からの(イントロが“Baba O'Riley”にちょっと似てる・・・ってかまあ、意識して似せたのであろう)
“Fragments”でした。前々回の記事でも、ステージ後方に張られたスクリーンに映し出される映像のことに触れましたが、この曲で流された岸壁に打ちつける波の映像を観て、東映映画のオープニングを思い出してしまったのは、日本人の血と世代が成せる業でしょうか?(笑) って、またこんなしょーもないことを・・・。熱心なThe Whoファンに怒られそうです(汗)。5曲目の
“Who Are You”では少し面白い光景が観られました。この曲には(ピートにしては)速いパッセージのギターソロがありますが、ピートはそのパートをストゥールに軽く腰掛けて弾くんですよ。曲が終わると、その椅子はすぐに引っ込められましたから(出された時は気づかなかった)、完全にこの曲専用みたいですね。ピートとしても、かなり真剣に弾かなければならないパートなんでしょう。きっと。そしてこの曲ではギタリスト/ロジャー・ダルトリーも登場、Gibsonの黒いアコースティックギター(J-180?)を抱えて歌っていました。これが“ボーカリストがただ抱えていた”というのとは違って、曲の中の大事な単音パートも弾いていたところが偉い。続く
“Behind Blue Eyes”で一旦会場を落ち着かせると(曲後半は盛り上がりますが)次は
“Relay”、この曲の辺りで会場の音がグンと良くなった気がします。それまでも決して悪い音ではありませんでしたが、バランスがより優れクリアになったためか、僕の席では、聴感上、音量も一段階レベルが上がったように感じました(基本的に大音量のコンサートなんですけどね)。軽快な
“Sister Disco”に続いて、コンサート中盤のクライマックスとなったのは、やはりこの曲
“Baba O'Riley”。コンサートを観る前から、この曲のピートが歌うパートで泣いたりせぬよう用心していた僕でしたが、いざコンサートが始まってみると、それ以前の問題でした(笑)。曲が始まって、ピートのギターが“ジャーン!ジャン、ジャーン!”と入った時点で、うるうると・・・。まあ、僕も大人なので実際に涙を流すことはありませんでしたが、ホントやばかったです。この曲、やっぱ感動します。会場全体が盛り上がった“Baba O'Riley”に続いて演奏されたのは、ピートがリードボーカルを取る
“Eminence Front”、アーバンな雰囲気を持つこの曲で、ロジャーは今度はエレキを弾いていました。良い感じに焼けたブロンドカラーのテレキャスター(だと思ったギター)で、シンプルではあるけれど曲の大事な要素であるリフをバッチリと。当然、ギタリストとしてのロジャーは、何か特別なテクニックを見せるわけではありませんが、“良いシンガーならではの良いギター”というのを聴かせてくれました。
・・・そしてコンサート本編も佳境に入って、
“5:15”と
“Love Reign O'er Me” の四重人格2連発。この2曲はバックに流れる映像とのマッチングが素晴らしかったですね。特に“Love Reign O'er Me”、ロジャーの熱唱と映画“さらば青春の光” からの映像が見事にシンクロして、それはもう感動的でした。その後は大盛り上がりナンバー
“Won't Get Fooled Again”、ロジャーのシャウト前の観客の手拍子も凄くて、いよいよ会場が一体化してきたことを実感。・・・やはり武道館は良いですね。まあ、PAシステム等の発達もあって、以前より遥かに音も良くなってきたこの会場ですが、音響的にはやはり不利な会場であると思うんですよ。でも、武道館には、ここにしかない雰囲気がありますよね。未だ国内最大級のキャパシティを誇る大きな会場でありながら(勿論、ドームクラスの会場は別)、建物の造りから独特の狭さも感じさせるじゃないですか。なので、今回The Whoの日本ツアーに組まれていた他の会場より、観客との一体感というのは出やすかったのではないかと思うんです(埼玉スーパーアリーナは行ったことありませんが)。僕と同じく、“武道館選んで正解!”と感じた人も多かったのではないでしょうか?・・・そして次はもうお祭り騒ぎの
“My Generation”。僕の場合、今回の日本ツアーが始まった時点で、他会場のセットリストを観ていたりしたので(まあ、今の時代、ネタバレがどうこうって言っても仕方ありませんから・・・)、途中でこの曲の位置が微妙に変化していたことも事前に知っていたんですが、この日は“Won't Get Fooled Again”の後に持ってこられていました。“Won't~”が始まった時点で、“あ、そうですか、My Generationが最後ですか、個人的にはWon't~の方がラストに合ってるかと思うんですが・・・”みたいに感じてしまいましたが、“My Generation”の演奏も素晴らしかったです。曲の後半でテンポを落として、他の曲のサワリを入れたりするアドリブパートと言うか、ジャムパート的な部分があるんですが、ここがホントにカッコ良い。スクリーンに映し出される様々な民族が色んな踊りを見せてくれる映像ともマッチして、めちゃめちゃイカシてました。“ここでひとまず終わりか~”と思っていたところ、この日はもう1曲、これまでの公演では演奏しなかった曲が始まったのです。・・・って、最初にセットリストを載せているので、今更“始まったのです”と書くのもアレなんですが(笑)、“My Generation”に続いて
“Naked Eye”が始まったんです。今回の日本ツアー、複数回観に行った人(5公演完全制覇とか・・・)も大勢居たようですが、ツアー終盤でこの曲が演奏されたことに喜ばれた方も多いみたいですね。この曲によりちょっと落ち着いた感じでコンサートの本編は終了。そしてアンコールは
“Pinball Wizard” から始まるトミーメドレー、そりゃもう大盛り上がりの大感動大会ですよ。
“See Me Feel Me”では、手拍子するこちらも気分は
ワイト島のお客さんです(笑)。この曲が終わるとサポートのメンバーは退場して、最後は2人になったThe Whoで、最新アルバムからの
“Tea and Theatre”(TheaterじゃなくてTheatreなところが凄く英国的)、自分達のこれまでの歩みを静かに振り返るようなこの曲を、ロジャーは実際にカップからお茶(実際の中身は知りません)を飲みながら歌っていました。しっとりと。最後は2人揃って観客に挨拶をして、コンサート終了。・・・いや~、良かった。ホント感動した。“ロックコンサートを観て、これほど感動したのは一体いつ以来だろう?” なんて考えてしまうほど感動しました。いつしかメンバーも半分になり、残った2人も若い頃のようなハチャメチャなパワーは無くなっているとは言え、その破壊力は未だ圧倒的で、The Whoは世界屈指のLIVEバンドであるということをついにこの目で確かめられたことに満足しながら、この日の武道館を後にしたのでした。長々と御精読ありがとうございました。もの凄くノンタイムリーなだけではなく、1日のLIVEレポートに3日もかけてすみませんでした。でも、もう一回続きます(笑)。
You are forgiven~♪You are forgiven~♪